投資初心者の医師はまずつみたてNISAとiDecoをはじめるべき、と説明してきましたが
今回は特に「医師とiDecoは相性が良い」という事について解説していきます
iDecoの一般的なメリットは・デメリットをあげると
iDecoのメリット
- 掛け金が全額所得控除となる
- 受け取る時に退職金控除が使える
- 運用益が非課税(つみたてNISAと同じ)
iDecoのデメリット
- 60才までは引き出せない
となります
これらのメリット・デメリットが医師という職業の特性と相性が良いのです
どうして相性が良いと言えるのか?
所得控除とか退職金控除とかよくわからない!という人にもわかるように
具体的な数字もあげつつ解説していきます
iDecoのメリット:掛け金が全額所得控除となる

ひとつめのメリット「掛け金が全額所得控除になる」について
iDecoの掛け金は勤務先によって変わります
iDecoの掛け金
- 勤務医:私立病院(厚生年金)23000円
- 勤務医 公立病院(共済年金)12000円
- 開業医 (国民年金)68,000円
iDecoは年金を補うために作られた制度なので
加入している年金制度によって掛け金が変わります
私立病院で働く勤務医であれば
月額23,000円、年額276,000円が掛け金の限度額になります
この「276,000円が所得控除となる」というのは「全額手元に返ってくる」とは違います
所得(普通は主に給与所得)から276,000円を引いた後に所得税・住民税がかかるという意味であり、
要するに高所得者(所得税が高い人)であるほどお金が手元に返ってくるのです
医師は一般的に所得が高いことからこのメリットを受けやすいという事になります
実際にどの程度お金が手元に戻ってくるのか
SBI証券のシミュレーターで計算してみます
具体例でシミュレーション
40才、年収1500万円
私立病院の勤務医で月額23,000円で
60才まで積み立てた場合

年間約12万円、20年の合計で2,412,000円が手元に戻ってくる事になります
240万円あればコンパクトカー1台買えますし、家族で海外旅行なども行けます
しかもこれとは別に運用益ももらえる可能性があります
ちなみに運用利回り4%(これは比較的保守的な数字です)とすると
運用結果は以下のようになりました

運用益は2,848,178円となりました。
所得控除と合わせると500万円以上のプラスになります
貯金しかしていない場合との差は大きいです
iDecoのメリット:受け取る時に退職金控除が使える

iDecoは掛け金が控除されるものの、
受け取る時に課税される可能性があります
これだけ聞くと、「税金の支払いが先延ばしになっただけ」という事になるのですが
受け取る時に退職金控除が使えます
iDecoで使える退職金控除
iDeco加入期間×40万円(20年目以降は×70万円)
が控除(税金がかからない)
40才から20年間iDecoに加入して60才で受け取れば20×40万円=800万円まで税金がかからないという事です
ただし、注意点としては職場から退職金がもらえる場合は
退職金控除の額から退職金を引いた額がiDecoに適用されます
つまり退職金が多ければ、iDecoにかかる税金が多くなってしまうという事です
とは言え、医師は勤務医であれば異動が比較的多く
退職金はそこまでたくさん貰えない場合が多いので
この点も医師がiDecoと相性が良いと言えます
iDecoのデメリット:60歳まで引き出せない

iDecoの大きなデメリットは原則60才までは引き出せない事です
iDecoはあくまでも老後資金のための制度だからです
なので、手持ちの現金・貯金に余裕が無い場合には注意が必要です
ただし、医師の場合は資金に余裕がある事が多いはずなので
この点でもあまり心配はいらないかと思います
iDecoのデメリットも医師にとっては大きな問題とはなりにくいため相性が良いと言えます。
まとめ
iDecoのメリットデメリットについて解説してきました
- 給与が高い
- 退職金が少ない
- 投資資金に余裕がある
という特徴を持つ医師にとってiDecoは相性が非常に良い、と言えるのです
まだiDecoをはじめていない医師はまずはネット証券で口座を開設して
投資の第1歩を踏み出しましょう!